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ボクシングの階級と体格について

ボクシングの階級分けについて。

デカければ強いという野蛮な現実に対して、スポーツとしての公正さと、選手の安全性を考慮すれば階級分けは必要なこと。

(ホビホビ側の私からすると、バレーやバスケみたいな身長の有利をわざわざ助長させるスポーツは嫌いだ)

でも、無理して減量して有利な下の階級に行くとか、逆に増量して稼げる上の階級に行くとか、人為的な操作が可能なので、体重だけを基準にする現ルールに課題はあるでしょう。ガリガリで無理して下の階級にいる人は見たくないし(力石)、素晴らしい技術の持ち主が階級を上げすぎて負けるのもまた見たくない。

で、当然ながら今興味があるのは井上尚弥選手です。外野は好き放題言いますが、適正な階級ってなんなのか難しいのでちょっとグラフ作った。

 

横軸に階級のリミットウェイト、縦軸に身長をとった場合のグラフ。点は現在のチャンピオン。2023/7/29時点のwikipediaを参照した。ヘビー級は上限なしなので適当に100kgにした。

当然、相関のあるグラフにはなる。物理的には身長の3乗で体重が増えるはずだが、線形に近いグラフになっている。軽量級では階級を下げて優位に戦う誘因があるので、チャンピオンだけを抜き出したこのグラフではそれが顕著だろうから、そのせいでしょう。身長に対する体重の増加を抑制する要因になる。(重いほどファイトマネーが稼げるので、重量級でこの影響は小さくなる。)

さて肝心の井上尚弥がスーパーバンタムにいることについてですが、このグラフで見ればまだ異常値とは言えない。ひとつ上のフェザー級も十分射程圏内に見える。

大橋会長がラスボスに指名したライト級のジャーボンティ・デービスは、確かに身長では井上尚弥と大差なく、ここまでは可能性があるという目標のひとつといえる。

一方、同じような身長でスーパーウェルター級まで行ったパッキャオはやっぱりおかしい。

カネロもやりすぎ。階級下げて本来の強さを見せてくれたほうが正直嬉しい。

逆にロマチェンコは階級上げすぎと思ってたけど、そこまででもないのかな?

中谷は絞りすぎ。はよビルドアップして井上尚弥を目指してほしい。

 

体格は身長だけで測れないこともあるので、縦軸をリーチでグラフにした場合。

こう見るとまた印象が違う。肩幅、胸板の厚さとかも含めた全体的な体のデカさってこっちに近いと思うので、このほうが適切かもしれない。

井上尚弥は身長のわりにリーチが長い。フルトン相手のデトロイトスタイルも納得ですね。こう見ればむしろ今が適正階級、ビルドアップすればデービスとの対決は嘘ではないかも。

カネロとパッキャオはやっぱりおかしい。

ロマチェンコもやっぱり階級落とすべき。井上尚弥との対決は、デービスよりロマチェンコが見たい。史上最高の技術戦!

中谷は異常値ではなくなってくるナ…