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本と、その他諸々のこと。理系的なこと。

衆院解散の目的って。

衆院解散の話。

解散する理由は、高市総理からは根性論みたいなのしか聞こえてきませんでした。無責任だなんだという批判が起こっていますが要は、

◆政府にはどーしても通さないといけない法案がある。野党の協力が見込めない内容で、自民が衆院単独過半数とる必要がある。

高市政権の支持率が妙に高いから、今なら過半数取れるかもしれない。

◆通したい法案の内容は、選挙前に言ったら絶対議席を落とすから論点にできない。

ということでしょう。まあ私の想像ですが。大義がない…とか、みんな消費税の減税が公約なら解散意味ない…とかの議論は至極もっともですが、この前提があればすんなり理解できます。政府側からしたらそんなのはどうでもいいということです。この前提を伏せた状態では、何のためにの議論はしようがありません。

減税をあれほど嫌う自民党が、減税を公約にしている。せっかくの支持率も落としている。それでもやるのだから、よほど大事な法案なのでしょう。と自論を立ててたら高市総理、普通にゲロってました。

「怖い」「何するつもり?」高市首相が掲げる“国論を二分するような大胆な政策”にネット困惑のワケ(女性自身) - Yahoo!ニュース

事前に言っちゃダメでしょ…素直な人だ。野党もマスコミもこの発言を追いかけないあたり、関係者はみんなわかっててのプロレスです。

野党の協力が得られず、国民の支持も得られず、それでもやらないといけない法案とは何か。増税関連は減税を公約にしてるくらいなので違う。年金や社会保障関連はありそうだけど、今この瞬間というほどの緊急性ではない。緊急性のある理由といえばやはり国際情勢。要は自衛隊関連。

防衛施設や兵器の増設、自衛隊の海外派遣、国連との関係。その辺じゃないかなぁ。

国防にかかわる話は、めちゃくちゃ大事であるにも関わらず、平和ボケの日本では論点に出すだけで支持率を落とす。野党は何の意見も持たない。自民党が孤軍奮闘する以外ない分野。

中国が日本にブチ切れている。

イランが弱体化している。

アメリカがベネズエラを侵略した。グリーンランドも欲しいらしい。

イスラエルウクライナだけでもお腹いっぱいだったが、なんかもっと裏のあることが並行してあるみたい。私はただの一般人なので、ニュース以上の情報は持てませんので、本当のところはよくわかりませんが、たぶん今は激動の瞬間です。

投票する人は、裏にあるなんかの法案に対して新任するかしないか、そういう意思で投票すべきなのでしょう。

皇帝とEmperorとえらい人たち

「Emperor(エンペラー)」の訳語として「皇帝」が使われますが、実はこの2つの原義は全然別のもの。調べたら面白かったのでまとめておきます。

 

①Emperorについて

語源は「Imperator」で、古代ローマにおける軍の最高司令官の称号だった。将軍とか総帥みたいな階級位。Imperatorであったオクタヴィアヌスが古代ローマの全権力を掌握したことで、それが軍に限らないローマ最高の権力者に対する尊称に変化した。そんで、ローマの支配する範囲がおそろしく広くて、周辺国への影響力も大きかったので、ローマのみならずキリスト教世界の指導者の代名詞のように認識されるようになった…その地域の人からすれば、世界の支配者に等しいものだったでしょう。今も感じるなんかすごい人感の由来。とはいえ全世界的にはその支配下にはない地域はいくらでもあって、当然ながら中国も日本もこの支配下にはないので、ローマ・キリスト教の世界限定の尊称だったのでした。

後にフランク王国のカール大帝がヨーロッパの大半を征服して、出自にローマは関係ないんだけど、ローマ帝国の再来だ!ってなもんでEmperorを名乗った。これが神聖ローマ帝国につながってゆく。

(ちなみにカール大帝の時代、東ローマ帝国はいちおう存続していて、正当な意味でのEmperor様もいらっしゃったが、もはや小国だったので無視された。)

フランク王国の跡を継ぐ神聖ローマ帝国も、自称ながらもローマ帝国と関連付けてEmperorを名乗ってたんだけど、時が下ってナポレオンに至ってはついに、ローマと無関係に「僕Emperor!」と言い出したのでタガが外れて、自称大国の支配者はみんなEmperorになった。ドイツとかロシアとか。同時期のオーストリアは小国ながら、元神聖ローマ帝国のハプスブルグ家が治めてたので相変わらずEmperorでいらっしゃってややこしい。結果的に、王様(king)よりエライんだぞ、という曖昧な尊称(自称の)に仕上がった。

 

②皇帝について

漢字で書く「皇帝」は、秦の始皇帝の造語。元々中国は複数の国に分かれていて、それぞれの国のトップの称号が「王」。王がたくさんいた。それを統一した者、として「王」より凄い位を創作したってわけ。当時の中国人にとって中国が世界の全部だったので、中国を掌握したということは世界を掌握したということ。神に等しい存在として「皇帝」を名乗ったのだった。
なお皇帝の英訳はやはり、「Emperor」である。

 

③天皇について

天皇の語源は、中国神話の神様である三皇(天皇・地皇・人皇)のひとり。日本は超大国たる中国の隣で独立を保つにあたり、小国といえどもその支配者は中国の皇帝と対等の存在であることを主張する必要があって、自称神様な皇帝に対抗して、神様そのものの名前を頂戴した次第。ちなみに天皇の英訳もさりとて、「Emperor」である。

 

④その他の帝国

歴史の勉強をしてると、バビロニアとかペルシアも帝国と呼ばれてるけど、要は複数の国を制服したような巨大国家を帝国、そこのトップは皇帝、と日本語では訳して呼んでいるということ。たぶん、それぞれの国の言葉で「並の王様よりすっげーひと」という意味の尊称を作っていたんだろうけど、その日本語訳は全部「皇帝」であり、英訳は「Emperor」なわけ。

 

ヨーロッパの王侯貴族さんたちの分類まとめておくと、
 皇帝(Emperor)の治める国は帝国(Empire)、
 王(King)の治める国は王国(Kingdom)、
 あと公国(Duchy)というのもあって、大公(Grand duke)や公爵(Duke)の治める国のこと。

皇帝は王を束ね、王は貴族を束ねる、という位置づけだが、公国のように貴族(大公、公爵、侯爵、伯爵、子爵、男爵)の領地を独立国と認める場合もあるので、そもそも国ってなに??という話になるんだけど、想像以上にこれは曖昧なようです。

ルパンのカリ城で言えば、カリオストロは公国で、クラリスは国の君主たる大公殿下の娘、カリオストロ伯爵は摂政の位置付けである。ややこしいことに、次元が「大公って王様のこったろ?」と正確さを欠くセリフを言う。王は大公の上であるはずだが、現代の分類における国のトップを王と呼ぶなら間違った認識でもなく、そのへんの曖昧さを知っていればこその逆説的に正しい表現なのだ。厳密さを欠きながら要点をとらえたこのセリフ、おおざっぱな次元らしくて絶妙。もちろん宮崎駿はわかっていればこそ、このセリフを言わせたのでしょう。

リバイバル上映「もののけ姫」「機動警察パトレイバー 2 the Movie」

ここんところ私の好きな昔のアニメ映画が立て続けにリバイバル上映されてます。

10/3~16 機動警察パトレイバー

10/17~30 機動警察パトレイバー2 the Movie


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10/24~ もののけ姫


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パト1はまあいいかと見過ごしたんですが、パト2もののけ姫はこの土日に続けて見てきた。実り多い週末で大満足。

劇場で見ることはテレビで見るのとは違い、それは一つの体験である。とはちょいちょい言われること。今回、見飽きるほど見た映画を劇場で改めて見て、強烈に違いを実感した。わかってなかった、こんなに違うとは。パト1をスルーしたのは間違いだった。この貴重な機会を逃すとはなんと愚かな。

4KにIMAXなどなど映像、サウンドの技術が革新される中で、昔の名作をリマスターする企画がちょいちょい進行しているのでしょう。今後も似たようなリバイバルがあるかもしれないので、逃さないように情報どりに気を付けましょう皆さん。

 

改めて鑑賞メモ。

機動警察パトレイバー2 the Movie

これは大ファンだけど劇場で見たことがなかったので、ありがたい機会だった。今回特に感銘を受けたのが、音。あの重厚なテーマ曲で展開される自衛隊の首都配備シーンは、もとより大好きなシーンでしたが劇場のサウンドで聞くともう別格、圧倒的な存在感。

私はわりと地方都市を転々とする人生ですが、この数年は東京を生活圏としていたこともあり、東京で戦争ということのリアリティが以前とは段違いだった。見知ったあそこに戦車が、あそこにミサイルが。押井監督が見せたかった臨場感をようやく感じられたかも。

これまで言語化できてなかったが、「目」の演出が重要なのに気付いた。気付いてしまえば、これまで気付いてなかった自分にもどかしいほど明確。何かをよく見ようとする演技(代表例は思ひ出のベイブリッヂ)、茫然とみる演技(戦車を見る人、戦車に乗っている自衛隊員も同じく)。だけでなく、機械のモニター越しに見る(冒頭の柘植、警察が自衛隊警備に駆り出されたとき、他多数)、機械の目たるセンサーが動く(冒頭ノアの動かすテスト機、配備された自衛隊)、あるいは動かず泰然と見ている(飛行船、哨戒機E-2 ホークアイ)…などなど。最初にノアと遊馬が視界センサーの機能について会話しているのは示唆的。というか冒頭の柘植のくだりで、最後に大きな彫像の目にクローズアップされるところからして、この映画の一貫した焦点だったことは明らか。これに気付けば、荒川が斜視であることもまた、強い印象を残す。アニメで斜視の人物なんて他にいた?

荒川のセリフ「この街では誰もが神様みたいなもんさ。居ながらにしてその目で見、その手で触れることのできぬあらゆる現実を知る、何一つしない神様だ。」冒頭の神を象ったであろう彫像はまさにこれを象徴したもの。柘植の惨状を見ていたが、何もしなかった神様。誰しもがこの彫像と同じで、見てはいるが、何もしない。柘植は人々に戦争を見るだけでなく、体験させようとした。映画の最後を飾る柘植の言葉もこれだ。「もう少し、見ていたかったのかもしれんな。この街の、未来を」

パト2放映当時(1993年)は湾岸戦争(1990)で戦争がリアルタイムに報道されたのも衝撃的に記憶されていた時期だ。今では当たり前だが、地球の反対側の戦争を居間でのんびり見るという経験をした最初の時代、見ることにもっと驚きと、罪悪感があった。その当時と比べても格段になんでも見れる今、見ることの責任を改めて見直すべきかもしれない。

あと、昔は理解できませんでしたが、南雲さん魅力的な女性ですね。

パト2について書いた記事もある。今読み返すと若いな。ていうかこれ12年前かなにそれこわい。

tiltowait9.hatenablog.com

 

もののけ姫

私が家族ではなく友達と見に行った最初の映画ということで、個人的にまたちょっと別の感慨があります。

深い山の背景画は劇場で見て改めて、本当に美しい。日本の自然の理想形を濃縮したような絵画だ。ぼくらが普段の生活でたどり着く山道は、一度ハゲ山にしたあと杉を植えまくった世界なので、こんな神々しさがない。現代人は自然破壊は近代の出来事だと思いがちだが、昔は燃料は全部薪だったし、タタラ製鉄は膨大に木を消費するので、500年以上前の室町時代には森林伐採の問題は十分飽和していたのだ。ぼくらが出会う森はその後植林された森なのよね。原生林と銘打てるのは屋久島と白神山地と、後なんだっけ?くらい。ほんとの意味での自然は、もはやほとんど残されていない。

アシタカは大和朝廷以降の支配が届かないまつろわぬ民、いわゆる土蜘蛛。どんどん北へ追いやられて室町時代には青森まで制圧されてるけど、東北地方のどこかに潜んでた設定でしょう。タタラ製鉄といえば中国地方なので、数秒でぶっとばした旅シーンでそれだけ移動したということですね。地名に関しては「鎮西の乙事主だ!」とジバシリが驚くシーンもありますが、鎮西とは九州のことなので、九州から中国地方にはるばる来たということ。瀬戸内の海をイノシシが泳いで渡るというのは愛媛県民などにはよく話題にされることで、何でも知ってそうなジコ坊もこれは知らなかったようですね。というか宮崎駿は知っていて映画のネタにしたということですが、そもそもこの舞台が中国地方だと分かった人はどのくらいいただろう?

癖のある語り口だなと改めて思ったのは、ふつうの映画なら率先して見せたいアクション的な山場(エボシvsナゴの守、乙事主軍vs唐笠連)を回想の一場面として済ませてしまうところ。エボシvs地侍もあっさりしたものだし、タタラ場vsアサノ軍などは戦闘シーンすらない。なんか大事な出来事が知らんうちに終わってて、出来事の重要性と演出のされ方が比例してないんですが。臨場感をもって描かれるのがアシタカの直面したシーンに絞られているのは、明確な意図があるでしょう。アシタカは奔走するが、歴史は違うところで動いており、戦争はとめられない。神殺しも止められない。アシタカにできることは後始末だけだ(ナゴの守のとどめ、シシ神に首を返す)。個人では歴史の大きな流れを止められないという現実。

サンが口移しで干し肉食わせるシーン、ものすげーフェティッシュだな。

 

大昔つくったmyアニメ映画ランキングでも幾ばくか書いてました。パト2が2位、もののけが3位の高評価。この順位は今でも変わらないかも。

tiltowait9.hatenablog.com

 

 

ボクシングの階級と体格について

ボクシングの階級分けについて。

デカければ強いという野蛮な現実に対して、スポーツとしての公正さと、選手の安全性を考慮すれば階級分けは必要なこと。

(ホビホビ側の私からすると、バレーやバスケみたいな身長の有利をわざわざ助長させるスポーツは嫌いだ)

でも、無理して減量して有利な下の階級に行くとか、逆に増量して稼げる上の階級に行くとか、人為的な操作が可能なので、体重だけを基準にする現ルールに課題はあるでしょう。ガリガリで無理して下の階級にいる人は見たくないし(力石)、素晴らしい技術の持ち主が階級を上げすぎて負けるのもまた見たくない。

で、当然ながら今興味があるのは井上尚弥選手です。外野は好き放題言いますが、適正な階級ってなんなのか難しいのでちょっとグラフ作った。

 

横軸に階級のリミットウェイト、縦軸に身長をとった場合のグラフ。点は現在のチャンピオン。2023/7/29時点のwikipediaを参照した。ヘビー級は上限なしなので適当に100kgにした。

当然、相関のあるグラフにはなる。物理的には身長の3乗で体重が増えるはずだが、線形に近いグラフになっている。軽量級では階級を下げて優位に戦う誘因、重量級では階級を上げてファイトマネーを稼ぐ誘因があるので、ずれるのかな。あるいは、ヘビー級のプロットをどこに置くかだけでグラフの見栄えは変わるかも。

さて肝心の井上尚弥がスーパーバンタムにいることについてですが、このグラフで見ればまだ異常値とは言えない。ひとつ上のフェザー級も十分射程圏内に見える。

大橋会長がラスボスに指名したライト級のジャーボンティ・デービスは、確かに身長では井上尚弥と大差なく、ここまでは可能性があるという目標のひとつといえる。

一方、同じような身長でスーパーウェルター級まで行ったパッキャオはやっぱりおかしい。

カネロもやりすぎ。階級下げて本来の強さを見せてくれたほうが正直嬉しい。

逆にロマチェンコは階級上げすぎと思ってたけど、そこまででもないのかな?

中谷は絞りすぎ。はよビルドアップして井上尚弥を目指してほしい。

 

体格は身長だけで測れないこともあるので、縦軸をリーチでグラフにした場合。

こう見るとまた印象が違う。肩幅、胸板の厚さとかも含めた全体的な体のデカさってこっちに近いと思うので、このほうが適切かもしれない。

井上尚弥は身長のわりにリーチが長い。フルトン相手のデトロイトスタイルも納得ですね。こう見ればむしろ今が適正階級、ビルドアップすればデービスとの対決は嘘ではないかも。

カネロとパッキャオはやっぱりおかしい。

ロマチェンコもやっぱり階級落とすべき。井上尚弥との対決は、デービスよりロマチェンコが見たい。史上最高の技術戦!

中谷は異常値ではなくなってくるナ…

自宅で湿地帯ビオトープ!を作る

自宅の庭に池を作った。最近出たこの本を読んでまんま影響された。

絵を書いてるのは「映像研には手を出すな」の大童澄瞳さんですね。大童さんも庭に池を作ってるらしい。著者の中島淳さんははてなブログにいらっしゃった。

湿地帯ビオトープと蚊について - オイカワ丸の湿地帯中毒 (hatenablog.com)

うちの庭はろくに管理もしてない荒れ放題だが、季節ごとに様相が変わるのは見ていて楽しいし、雑草たちの素朴な花や、やってくるハチをみたりするのが好きだった。園芸種って外来種だし、いわゆるガーデニングは自然観察の喜びとはちがう気がしていて、適当な手の入れ方が見えず庭を持て余してたところにこの本を見つけて、あぁこれだと思った。庭に池があれば来てくれる生き物や植物の種はグッと増える。なんて魅力的なんでしょう。

最大の心配は蚊の大発生だが、上記リンクによれば生態系が成立すれば問題なくなるとのことなので、全面的に信用する。

とはいえこの本、池の作り方については概略くらいしか説明してくれないので、youtubeとか参考にしながら実践した。作り方はいくつかあるが、エコトーンを広く作りたいので遮水シート方式を選んだ。

以下実践のようす。左がビフォー、右がアフター。

左図:ひどい粘土質の庭だが、堀ったあたりは野菜づくり(適当な)をしたことのあるゾーンなので、ほぐして多少肥料を入れている。雑草もやや抜いていた状態。

右図:1m✕2mくらい掘った。深さは最深部で40cmくらい。エコトーンを広くとるため、写真奥手側へは傾斜をなだらかにしている。表層の土壌を剥がしたあとは見事な粘土ゾーンが残った。もう水入れるだけで池になりそうな勢いだが実際にはそうも行くまい。

 

まず毛布を敷いて、その上に遮水シートを被せる。池造りで一番怖いのは遮水シートの漏水である。小石が穴の原因になるといけないので、遮水シートの下地は必要。ブルーシートを使うつもりでホームセンターに買いに行ったら、「養生毛布」と称してこの毛布が売ってた。これ工場のおっちゃんたちが使ってるやつだ!1.5m✕2mで1枚1200円くらい、あぁこれだと思って2枚使った。

遮水シートにはHDPE製、厚み0.3mm、2m✕3mを使用。amazonの検索ワードはプールライナー。実際買った実物を見て、厚み0.3mmは心許なく思われたので、同じものをもひとつ買って2重にした。遮水シートを2重にする方式の課題として、上側のシートが漏水したときにシート間に水が溜まって、ブカブカと膨らんでくるらしい。私はシートの上にたっぷり土を乗せるので、そのようなことにはならないと想定しているが、遮水シートが見える状態で使う予定の方は、分厚めのシート1枚にした方が安全でしょう。

 

遮水シートの余分はトリミングして、掘った土を被せてゆく。なんせ遮水シートの穴あきが怖いので、被せる土にも石がないよう、ふるいにかけて石を排除している。この作業はなんせ厳しくて、いっかい腰がピキっとなって1週間作業を中断した。

右図:中断しているうちに雨が降ってすでに池っぽくなってる図。雨のあと3~4日経っても土が湿っており、土が水を毛細管現象で吸い上げていることが示唆される。ここからわかるのは、

①池が水位よりかなり上まで水を供給し、広範囲の生態系に影響を与えること。

②蒸発に関わる表面積が広くなることで、思ったより速く水が減ること。

②は一日あたり水位が1~2cmくらい下がるペース。あまり減りが速いと池の維持が大変だが、今はふるいに掛かったふわふわの土なので、時が経てば土が詰まるし、かつ植物が土を覆えば日光が遮蔽されて、水の減る速さは抑制されていくものと期待する。(でないと、なんか継続的に水を供給できる仕掛けを考えないといけないので、困る)

土をふるいにかけるのは一通り被せるまでで、あとはスコップでどしどし土を積んでゆく。写真左右の壁面は急峻なため、水を入れると土が崩れてゆく。へこたれずに崩れなくなるまで土を被せるのみ。元より植物に根を張ってもらうにはそこそこの厚み(少なくとも10cmくらい?)で土がないといけないので、なんせどしどしいく。せっかく堀った穴を埋める虚無感や、池を大きく残したい思いとの葛藤で、心苦しい作業である。これがあるので最初に掘る穴は、作るつもりの池のサイズの、一回り、二回り大きくしておかないといけない。

 

これでひとまず完成。泥水は微細な土が舞っているだけなので、待てば沈殿して透明になる。すっきり澄むには約1週間。

ところが。左図は大雨でほぼ満タンの状態、右図はそれから3日後。水減るの速すぎ…製作途中とは段違いに速くて困るんですけど。原因は遮水シートの漏水ではなくて、土を遮水シートの外周まで繋いだことで、土を伝って周辺に染み出てるっぽい。被せた土がスポンジみたいに水を吸いまくってると推定、一度乾かして締固め度を上げる作業をするのが対策として考えられるが、ちょうど梅雨入りしたのでできない。雨滴でもちょっとは締まるかな…

つづく。

読書録10.5: 「気候文明史」田家 康

昔読んだ本を再読。

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前読んだのが13年前ともなると、覚えてなさにビビる。人生とは忘れること…知識の拡張を目指すオタクにはつらい現実だ。これが怖くて、最近は論点まとめをブログに上げている。知識の定着と、あとで要点を読み直すのにすごく役立つ。

特に感銘を受けた部分はそれでも覚えたし、自分の中で常識レベルに定着してることが「そういえばこの本で知ったんだった」と思いだしたりもしたし、そうぜんぶ忘れるってわけでもない。知識水準の底上げにはやっぱり読書しまくるしかない。

これはもう忘れたくないところを、まとめて列挙。

 

120,000年前 エーミアン間氷期(温暖)。出アフリカ

90,000年前 短期的な寒冷化。出アフリカ組全滅

85,000年前 出アフリカ2

74,000年前 トバ・カタストロフ。インドネシアのトバ山が大噴火し、火山灰が地球を覆い強烈な寒冷化。その後、暖かくなるでもなく氷河期へ突入。人類が1万人くらいにまで減る。服を着るようになる。

~15,000年前 最終氷河期。ドイツ南部でもツンドラやステップ気候、北米にニューヨークあたりまでの巨大氷床(ローレンタイド氷床)。海水が凍ったぶん海面水位が下がる。ユーラシア大陸とアラスカが地続き。日本も大陸~樺太~北海道~本州~四国~九州が全部地続き。陸を歩いて人類が拡散した。

15,000年前~ 温暖化。ローレンタイド氷床が溶けて北米中央にアガシ湖を形成。

12,900~11,600年前 短期的な寒冷化=ヤンガードリアス・イベント。原因はアガシ湖の決壊かも。北極付近の塩分濃度が低下→海氷面積増→アルベド増。塩分濃度低下が北大西洋の暖流の北上を遮ったかも。
メソポタミアで農業が始まる。寒冷化で食料が減ったことがきっかけかも。

11,500年前~ 現代まで続く長い温暖期へ

8,200年前 8200年前イベント。アガシ湖また決壊による短期的寒冷化(ヤンガードリアスほどではない)

8,200~5,500年前 気候最適期。最近の温暖期の中でも特に温暖な時期。氷河が溶けて水位が上がる。日本では「縄文海進」、親潮日本海流入、モンスーンも吹きだして現代の温暖湿潤な気候に。

7,600年前 海水面上昇で、淡水湖だった黒海に海水が押し寄せ水位が急上昇。湖畔の村を飲み込んだはずで、ノアの洪水の元ネタかも?(この説、超好き)

5,500~5,100年前 寒冷化=ピオラ振動。シュメール人がユーフラテス川下流へ移動。干ばつ対策で灌漑農業を始める→管理者が必要で階級社会に→都市国家を形成。

5,000年前~ 徐々に寒冷化。気温は上下しつつも全体としては現代へ向けて下降を辿る。
氷河期対比ではだいぶ温暖ながら、ときおり100年程度の干ばつを伴う寒冷期が訪れ、歴史を動かす。国が滅ぶ、民族移動など。贅沢な食用家畜の禁忌、思想家の登場、なんかもこのタイミングが多くて面白い。

4,300年前~ 寒冷化。シュメール文明滅亡、エジプトで古王国→第一中間期の混乱。豚の食用禁忌。

3,500年前~ 寒冷化。ミケーネ文明滅亡、ヒッタイトvsエジプト大戦争(カデシュの戦い)の後、ヒッタイト滅亡。

2,800年前~ 寒冷化。 中央アジア遊牧民の拡散→ヨーロッパに馬が広まる、北欧のゲルマン人ライン川まで移動。周→春秋戦国時代、渡来人が日本に稲作を伝える。牛の食用禁忌。バビロン捕囚。釈迦、孔子ソクラテスアリストテレス

2,200年前~ 温暖化。パックス・ロマーナ

AC 200年~ 寒冷化。ゲルマン人の大移動。倭国大乱。

AC 535年 世界中で短期的・急激な寒冷化。巨大噴火があったかもだけど不明。寒冷化するとペストが流行する。餌がなくて動物も減った状態で温暖な気候が突発すると、まずネズミが爆増するので。ヨーロッパでペスト流行→東ローマ帝国弱体化→フランク王国イスラム帝国拡大。

AC 800~1,200年頃 中世温暖期。ヨーロッパの発展。平安時代

AC 1,200~1,800年頃 小氷期太陽活動が低下し黒点減少。特に寒かった時期は以下4つの極小期。
①AC 1350年頃 ウォルフ極小期。ヨーロッパで食人、子捨て→「ヘンゼルとグレーテル」の世相。ペスト世界流行。イングランドvsフランス100年戦争。
②AC 1,500年頃 シュペーラー極小期。魔女狩り。飢えた狼が森を出て街へ→「赤ずきん」の世相。日本は戦国時代。
③AC 1,680年頃 マウンダー極小期
④A.C.1,800年頃 ダルトン極小期。フランス革命、ナポレオンが冬将軍に負ける。

A.C.1,900年頃~現在 CO2による温暖化。

読書録23 進化する地球惑星システム

「地球惑星システム科学」というのは、地球物理、地質学、地理学などなどひっくるめて、地球に起こってる現象を俯瞰して理解しようとする分野のこと。最先端の物理学が素粒子から宇宙までを説明できたとしても、多体系は複雑怪奇で、地球ほどの規模ともなればもう原理から説明なんてムリ。そこをなんとかしようというのがこの学問で、目に見えるこの地球を理解しようというのはある意味、今一番面白いんじゃないか。

東大の地球惑星科学専攻の先生方が書いた、学部生向けの教科書というか副読本。雑学好きの読書にしては娯楽要素がなく無骨ですが、情報はみっちりで興味があるなら楽しめる。

 

以下、覚えておきたい内容を抜粋。

・太陽系、地球の成り立ちから地球の組成が理解できる。例えば、CとOはまず安定なCOを作り、余ったものが金属元素と結合する。Oが余れば酸化物、珪酸塩系の岩石質な組成に。炭素が余れば炭素質に。恒星周囲のC:O比率で惑星の組成が決まる。

・H2Oを液体として大量に保持し続けるには、温度の他、気圧、重力などかなり微妙な条件が揃わないと難しい。温度は太陽からの距離だけでなく、大気組成の温室効果ガス比率とかも大事。

微惑星が衝突を繰り返して惑星ができる。衝突による熱エネルギーは凄まじく地球の最初は表面の岩石が全て溶けたマグマオーシャンになっていた。今でも地球内部は溶融状態にあり、地球の歴史は冷え続ける過程の歴史である。

・地球コアは今も溶けた鉄。コアの熱はマントルの対流で運ばれ、徐々に放熱している。最外層は固化しプレートになっているが、プレートテクトニクスは火星や金星では見られず、当たり前ではないらしい。成立条件はまだ不明。

・地球の気候には 無氷床・部分凍結・全球凍結 の3つの安定状態がありえる。今は部分凍結、白亜紀は無氷床。全球凍結はまさかと思われてたけど、氷河性の堆積物が赤道から見つかったりして、マジでなったことがあるらしい。スノーボールアース

・3度のスノーボールアースの直後にカンブリア紀がくる。偶然にしてはできすぎで、生物進化を促進させた可能性あるが、詳細不明。

・回転体は慣性モーメントが最大になる向きに回転軸に対して動く。地球も洪水玄武岩の噴出などで変形すると、球がグルンと回ることがある。真の極移動。(公転面に対する自転軸の向きは変わらない)

・真の極移動が起こったのはカンブリア紀で、これも偶然とは思えない。この時期の石灰岩の炭素同位体比率にメタン大量放出があったと読める異常があり、真の極移動でメタンハイドレートが分解して温室効果で温暖化し、生化学反応が活発化した、と仮説がつけられる。

・コアの溶けた鉄の対流で地磁気ができる。ダイナモ作用。対流の具合でわりと簡単に地磁気は逆転する(1.65億年で300回以上)。この変動に影響するのはマントルの対流モードによる熱の移動。コア側と表層面が別々の2層対流か、両者がつながる1層か。

氷期間氷期は周期的にくる。周期は2万年と4.1万年と10万年の3つの周期がある。自転軸の歳差運動、自転軸の傾き、公転軌道の離心率、がそれぞれ原因と推定。ミランコビッチ周期。