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本と、映画に思うこと。その他、諸々のこと。

読書録3: 「銀河ヒッチハイク・ガイド」 ダグラス・アダムス

銀河ヒッチハイク・ガイド (河出文庫)

銀河ヒッチハイク・ガイド (河出文庫)

SFコメディ小説。本国イギリスではたいそう有名だそうだ。
基本的には、笑える小説。でもバカ話の羅列のようでいてどこかナイーブな、フシギな肌触り。笑いの根っこにあるのは、「人生は何かとうまくいかない」という諦めの境地。すごく大事なことにも、くだらないオチしかつかない脱力感。人生そんなもんだよ、てな。「2度目は悲劇、3度目は喜劇」と、さくらさんも仰っている。みんな3度目はとうに超えただろ?
SFでシニカルというと、思い出すのがヴォネガットだけど、印象は全然似てない。ヴォネガットは、人生のつらい部分を、笑いを使って受け入れようとしているわけだけど、一方こちらは、あくまでコメディ。笑いのタネに昇華されてるので、酷い話なのにさっくり受け入れられる。
主人公が「僕は自分の人生と折り合ってないような気がする」とつぶやく場面があって、作中では笑うところとして出てくるんだけど、結構コレ、作者さんのリアルな心情なんじゃないかな。この人は、まだまだ悩んでまま。ヴォネガットが達観したなりに人生を肯定的に捉えてるのを思うと、やっぱりナイーブ。
と、なんかナイーブを押し出してしまったけど、難しいことは何にもなく笑えますよ。クライマックスは宇宙最高のコンピューターに「人生、宇宙、全ての答え」を計算させるエピソード。なんともこのセンスを象徴したこの問いに対して、計算結果は案の定・・・。
ちなみに、Google電卓で「人生、宇宙、全ての答え」と入力するとその答えが返ってきますよ。プログラマーのおふざけ。