風立ちぬ雑感
こないだTV初放送された風立ちぬでひとこと。高原の休暇で、ヨメとにわか雨に降られるシーン、これ気象的にすごく正確なのだ。
・夏の高地は急激な上昇気流が起きやすく、積乱雲を形成することが多い。
・積乱雲の下は強い雨と風。カミナリを伴う。
・積乱雲は局所的なので、雲の下から抜ければ急に晴れる。
・積乱雲の周辺など、太陽を背に雨を見る時は、虹を見るチャンス。
風は作品に関わるモチーフなので総じて描写が丁寧だが、虹を見るまでの経緯にこれほど整合性を持たせているとは。
このじいさんがため込んでる知識は膨大だ。知識に裏打ちされた描写は、隅々まで意図を秘めている。きっと現実と違う事を描くときは、演出効果の計算があって自覚的にそうするのだろう。
このじいさんの描く世界に、テキトーで済まされたものはない。