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本と、映画に思うこと。その他、諸々のこと。

アニメ映画リスト 1~50

映画全般好きですが、長編アニメ映画に絞って好きなものをリスト化してみた。ルールは厳密には決めてないけど、60分以上くらいで、劇場公開の有無は拘らないカンジで。なお、TVシリーズからの派生モノは弱いんで単発モノ重視。あとディズニーも過半数が未見。
順位づけの基準は、映画としての完成度らしきものも考慮に入れつつ、結局は好き嫌いだ。だから、上位は宮崎&押井無双。次点でピクサー

 

1.天空の城 ラピュタ

天空の城ラピュタ [DVD]

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・アニメがアニメである価値は結局、絵が動くという単純な驚きに集約されるのだ。だからアニメは活劇をせねばならない。宮崎駿の描くアクションは大げさに躍動しまくる。もう永遠に見続けられるくらい、ただただ見てるだけで面白い。これこそがアニメの魅力じゃないか!
未来少年コナン直系の単純明快な活劇だけど、宮崎先生もこれでやり切ったと思ったのか、この後は似たような路線は作ってくれませんねぇ。
・ボーイミーツガールして、冒険して、憧れの場所に行って、世界の危機を救う。基本通りに見たいものを見せてくれて、でも陳腐ではない。寄り切りで勝つ横綱相撲は簡単そうで一番難しいモノ。ベタで楽しいラピュタこそ世界最強。と、思うの。
・世界を魅力的に描く技も、この時既に世界最高水準。パズーの家、鉱山の町、高架の線路、地底迷路、軍の要塞、タイガーモス号、最後に極めつけなラピュタ。舞台の全てが、見る人に行ってみたいと思わせるじゃないですか。

 

機動警察パトレイバー2 TOKYO WAR

EMOTION the Best 機動警察パトレイバー2 the Movie [DVD]

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パトレイバー劇場2作目、押井守監督のベストはこれだと思う。
・戦争とは、平和とは、を再定義して、現代の戦争をシミュレーションする。戦争をモニターの外に追いやってしまった現代の日本人にとって、東京で戦争が起こるというのは、あまりに衝撃的だ。それをどう日本人は受け止めるだろうか。今のところ起こる予定はないが、考えるべきことは多い。
・押井監督は企画を通すために、当時既にそこそこ人気のあったパトレイバーシリーズの新作という枠組みを使ったんだとか。パトレイバーの名を冠したことで、確かに一定数の観客を確保できたが、一方でより多くの人に見られる機会を失ってしまった。その真価に比すれば、なお過小評価されている。
・技術的な素晴らしさは私ごときが言及するのもおこがましいですね。師匠がご自身で解説した名著「METHODS」を読みましょう。廃刊なので復刊ドットコムへGO。

 

もののけ姫

もののけ姫 [DVD]

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・自然破壊への警句。ただし、怒りに燃えた猪たちは人間どもに返り討ちに遭い、神殺しも成功する。物語の秩序を正すには、悪しき人間どもが負けねばならないのに、勝ってしまう。理不尽な顛末だが、それが現実に起こった事だ。据わりの悪い展開で娯楽映画としてのカタルシスは削がれたが、込められたメッセージはずしりと重い。
・ちなみに、ナウシカは物語の要請にすごく従順。王蟲の突進(=自然の怒り)の前に人々はただ許しを請い、そして許される。改めてもののけ姫と比較すると、安易ですらありますな。(ナウシカも、原作に安易さは無いんですが…)
・背景美術がすげえ好き。日本人の森に対する畏怖を掻き立てられる。じめじめとして触りたくない雰囲気、しかしそれが美しい。タタラ場の要塞感もステキ。

 

攻殻機動隊 GHOST IN THE SHELL

EMOTION the Best GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊 [DVD]

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士郎正宗のカルトSF漫画を押井守監督で映画化したもの。スマートな映像センスと衒学嗜好とエロとメカ、ジャパニメーションの代名詞ですわ。ただし萌エ要素は皆無。
・TVアニメシリーズのStand Alone Complexとは関連しないことに注意。
・個人的にはこれが好きで好きでたまらない。中3の時に初めて見て、それから1週間くらいは連日通しで見直した。今でも、純粋な好き嫌いで言えば全ての映画の中でこれがベスト。SF設定の緻密さと、SF設定に密着したテーマと、映像のスタイリッシュさと。自分の興味にとって出会うべきものに、出会うべき時期にぴたりと出会えた幸運よ。
・状況説明が少なくて展開が速いので、映画慣れしてない人は見事に置いてかれる。付いていける側にすりゃ、この速さが心地いいんだよね。理解に必要な情報はちゃんと出尽くしてるんだし、甘えたこと言うんじゃないよ。

 

ルパン三世 カリオストロの城

・活劇を見せるって点では、ラピュタに並ぶ頂点。ラピュタよりちょいウソ寄りの、コミカルでマンガ的なアクション。車で垂直な崖を登ったり、水路の滝を平泳ぎで耐えたり、屋根をジャンプで渡ったり。空中を平泳ぎで推進するのは嘘過ぎるだろー、と突っ込むのがまた楽しい。
・スト-リーはTV版1stシリーズの第10話「偽札つくりつくを狙え!」を拡大したもの。後半に出てくる若きルパンのカリオストロ潜入回想シーンは、1stシリーズOPの再利用。公開のタイミングはTV版2ndシリーズ終了後。要は、過去ネタを利用することで最終回的な機能をさせようとしたのです。売れたせいで終わりませんでしたが、ね。
カリオストロは大公の治める国、つまり公国。でも大公夫妻が付け火っぽいので亡くなって、今は分家の伯爵家が仕切っている。クラリスは大公家の娘、悪役のカリ候が伯爵家。ちなみに爵位のおさらいをしておきますと、大公>公爵>侯爵>伯爵>子爵>男爵、です。
・ルパンといえども機関銃で撃てば当たるという、意外な所でリアル寄り。主人公だから当たらないなんて、そんなB級映画的なお約束は嫌いなのでしょう。うん、僕も嫌い。
・銭形がコメディリリーフのフリして有能で、これは理想的な立ち回り。後のルパンシリーズじゃ銭形はただのいじめられ役になってて、この風潮はキライだ。
・ちなみに、うちの車はFIAT500である。
・「あなたの心です」はクサふきんよりクサい。

 

紅の豚

紅の豚 [DVD]

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飛行艇というマイナーな乗り物を活躍させたいという、ギークの妄想を具現化した映画。20世紀初頭の発展途上な飛行機は、試行錯誤の様子が飛行機オタクにはたまらないそうで。この映画に出てくる飛行機も、エンジンの位置から数からバラバラ、翼の形もバラんバラん。オタクの世界が垣間見えます。
飛行艇の舞台となると、ある程度の必然でWW1後のイタリアになるワケで。豚は暗い時代を誤魔化すでもなくふてぶてしく生きてて、でも時々「いい奴は死んだ奴等さ」なんて悲しい台詞がぽろっと出てくる。時代背景がわかる齢になって、最近いいよ好き。
・水路から飛び立つときの水しぶき、でかすぎ。アニメならではのケレン味、大好き。
・主人公は不細工のふりしてるけど実は二枚目な中年オヤジで、マダムから美少女からモテモテってこりゃいよいよ中年の妄想全開であるな。

 

風の谷のナウシカ

風の谷のナウシカ [DVD]
 

・真っ先に思い出されるのは、殺到する巨大ダンゴムシの群れとか、でろでろ溶けながらビームぶっぱなす巨神兵とか。映像的なインパクトが抜群。現代の目で見ると実は荒い仕上がりなんだけど、脳髄に焼き付くイメージを伝えるこの演出力
・あぁでもやっぱし、ユパ様の殺陣はもっと動いて欲しかったなぁ。
・ラストはナウシカちゃん王蟲に轢かれて絶対死んでるのに、ちゃっかり生き返るご都合主義。宮崎さんこういうの嫌いそうなのに。未完の大作を纏めるために苦心したってことだろか。こういうハッピーエンドにハッピー感じちゃう自分もいんだけどね。
・よく言われるけど、原作漫画は必読の事。

 

魔女の宅急便

魔女の宅急便 [DVD]

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・宮崎さんの活劇離れ大作戦。それでもやっぱり空は飛ぶ。
高山みなみ大活躍。二役するほど気に入られたのか。にしてはその後使われてないのは何なんだ。
・終盤飛べなくなる理由とか不明で強引だけど、魔女ならそんな事も有るのかもとか、なんか思っちゃうところがまたすごいところ。原作では初潮が原因ってちゃんとあるらしいよ。読んでないけど。
ユーミンの曲がかかるエンディングとか、曲の良さも相まってホンワカで泣きそうになる。泣くような話じゃないはずなんだが・・・

 

となりのトトロ

となりのトトロ [DVD]

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・日本人が思う田舎のイデア。田んぼと、立派な木と、なんか変なのが居そうな予感。現実に見た景色以上に、トトロの景色が理想の田舎として脳裏に焼き付いている。
・風ひとつを取っても、稲穂の動きが近づいてくる様子、木の葉の擦れる音、体に当たる感触、もしかしたら運ばれてくる匂いまで感じるかのような。圧倒的な演出力、宮崎駿の鋭敏な感受性を視覚化した映像は、まさに映画演出の理想形とすら思うのですが。
・以前、「よつばと!」がアニメ化されない理由について、作者のあずまきよひこ氏がブログで説明していたのを読んだ。「幼児の日常を描く話なのだから、不器用な仕草ひとつひとつを丁寧に描写する必要があって、アニメでそれをやるのはしんどい」てな旨だったが、トトロはそれを地でやってるよね。ストーリー上は不要なメイのしぐさひとつひとつが子細に描かれている。むしろストーリーは映画を成立させるための道具であって、細部の描写こそが目的なのだ。
・あと口の描写が凄い。あの歯茎むき出しの咆哮、キモさと紙一重だけど、あれこそがキャラクターに命を吹き込む鬼手。かわいい中トトロも葉っぱ飲み込むがぶー。美少女サツキもキュウリがぶー。
・でも、見た当時に現役で子供をやってた僕には、この作品は好きになり切れなかったんだよね。親達が思わず目を細める子供たちの子供っぽさ、そりゃー親には微笑ましかろうが、子供はそんな風に見られたいとは思ってない。そんな大人と子供の温度差を感じたのだ。そういう男子は多いんじゃないの?
父親になった今見れば、あんな優しくて無邪気な男になりたいという感想も強い。

 

10うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー

うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー [DVD]

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うる星やつら劇場版第2作、監督は第1弾に引き続き押井守。押井監督がやりたいことやりまくった結果こうなった。現実が虚構に浸食される話をコメディータッチでやってるが、あんな混沌を笑って受け入れる狂気は、逆に恐い。
・押井なんて知らなかったガキの頃に初めて見たけど、浮世離れした世界感に飲まれて朦朧としてしまったのを覚えてる。今見ても、何度見てもまだ飲まれる。傑作です。
・この押井臭がエンターテインメント性と両立されたのは氏の長い経歴の中でも片手の指で足りる程の回数しかないですが、ビューティフルドリーマーは貴重なその中のひとつ。ゼロから全部押井の手に掛かるとビーストモード入って意味わかんないのが出来上がるから、こんなふうに他人の原作でやった方がタガに嵌っていい。
・って押井ファンには良くても、うる星ファンの求める内容じゃないので評価は割れますわナ。当然俺は好き派。Love派。

 

11.WALL・E

ウォーリー [DVD]

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ピクサーアニメーションスタジオの9作目。ピクサーはディズニーの子会社。でもディズニー本体の作る作品とは桁違いにレベル高いんで、分けて考えた方が良いです。
・日本のアニメ好きにはアメリカ産CGアニメに拒否反応ある人多い。もったいないですよ。斯く言う自分もかつてはそうでしたが、食べてみたら超美味しかった。食わず嫌いでしたねぇ。
ピクサーは、可愛くないデザインのキャラを可愛く見せる。ポンコツロボットが冒頭10分で愛おしくすらなるですよ。(ゴキブリまで!)。これ明らかに、外見や偏見に囚われるなって思想の産物。日本の量産アニメみたいに、可愛いデザインに可愛い声ださせりゃ簡単だろうに、この映画ときたらあのバタ臭いデザインで、しかも喋らないと来たもんだ。自分で勝手に難易度VERY HARDに設定して、パーフェクトでクリアしてやがる!!驚異の演出力やでぇ。
・700年ごみ処理し続けてたって設定はちょっと切な過ぎて笑えない。火の鳥未来編のトラウマがフラッシュバック。こんな可哀想な設定作ったやつは悪いやつだ。いや、そのくらい感情移入しちゃったってことなんですが。

 

12.千と千尋の神隠し

千と千尋の神隠し [DVD]
 

・今どき、ファンタジーを作るのは大変だ。世慣れた視聴者には動物が喋るなんて当たり前だし、奇天烈な生き物をデザインしたところで驚きゃしない。それでもこの映画は、違う世界に紛れ込んでしまった、って驚きを確かに感じさせてくれる。誰も観たこともない世界を構築して、体感させてくれる、これって本当にすごいことだよね。湯屋の建物や客の一人一人、細部まで満ち渡る想像力に驚嘆するばかりです。
・ストーリーは正直粗い。千尋が湯屋にほりこまれる理由は理不尽だし、もう1~2回接客イベントがあった方が千尋の成長を表現できるし、クライマックスもぼやっとしてる。でも、感情的にとにかく納得させる剛腕な演出力があって、まぁ映画で大事なのはそっちの方だよね、という感じなのです。ともかく凄い映画なのだ、これは。
・スト-リーの因果関係の粗さは後期宮崎アニメの特徴ですが、千と千尋の場合は理屈の通らなさが異世界な臨場感にも思えるので、悪いばかりでもないです。ストーリーってのも基本は理詰めで作るもんであって、実は自由度の少ないものなんですよね。宮崎氏はそういう閉塞感を突破したいんじゃないかと思う。
・ハクの正体が凄くイイ。神道の発想ですよね、そういうのに人格を想定するのって。千尋が現実世界に戻っても(映画を見終わっても)異世界をすぐそばに感じるような余韻を残してくれますね。

 

13.風立ちぬ

風立ちぬ [DVD]

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・戦争とか病気とか、人間生きてりゃ理不尽なことは一杯起こる。宮崎さん近作の、物語のつじつまを放棄する傾向はそんなことを考えてたからだろうし、じゃあ人の伝記を描くのが一番今の作風に合うワケだ。人生ってのは理不尽だらけだけど、それでも今の自分を可能な限り生きる様はともかく感動的だ。
・思うところは山程あるだろうけど、敢えて多くを語らず背中を見せるだけ。宮崎駿、漢だねぇ。
・絵柄はリアル系なようで、動きのダイナミズムはなんともデフォルメのきいたもの。アニメーションの語源のとおり、命を吹き込まれた絵が躍動しています。静止画ですら、なにかしら躍動しています。宮崎氏の表現技法は未だ衰えることなく、むしろ進化を続けているのです。ホント、感動する。
・映画によって訴えたい事は、やっぱり年取ったなりに深遠なことなわけで、つまりエンタテイメントから離れていくんですよね。ラピュタとかのように多数派を楽しませる内容ではないですが、大人がゆっくりと鑑賞するべき、素晴らしい映画であります。

 

14.AKIRA

AKIRA 〈DTS sound edition〉 [DVD]

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・サブカル臭が強くってもはや褒めるのが恥ずかしいですが、やっぱり重要な国産硬派SFの金字塔。監督は原作漫画の作者でもある大友克洋
・ガキん時に見て、正直全然意味わかんなかったけど、なんか褒めないといけない気になった。でもやっぱ心から感動したわけじゃないんだよね。感動しないといけないような気分に襲われただけで。それ以来、感動しそびれたまま今に至る。多少理解できるようになった頃には、攻殻機動隊の方にハマってたし。出会うべきタイミングで出会えなかった作品。傑作なのは間違いないんだが。
・体育の先生の「指導ォ!」は、もっときっちり描写して欲しかった。原作内でも屈指のギャグ。

 

15.東京ゴッドファーザーズ

東京ゴッドファーザーズ [DVD]

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今敏さんの監督3作目。
・おっさんとオカマのおっさんと家出娘が、捨て子を拾っていろんな偶然に右往左往する話。あらすじ聞いても絵柄見ても全然見る気しないのに、イザ見始めたら面白いんだわこれ。
・偶然が人生にもたらす影響は甚大だ。人は運命とか奇跡なんて言葉で意味を持たせようとするが、結局偶然は偶然に過ぎず意味はない。大事な人生が意味もなく左右されるのは理不尽で受け入れ難いが、残念ながら人生はそんなもんだ。
・偶然に右往左往する3人は滑稽で、切ない。まあ今回は奇跡だったって事にしときましょうか。クリスマスだもんな。

 

16.カールじいさんの空飛ぶ家

カールじいさんの空飛ぶ家 [DVD]

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・円熟のピクサー10作目。
・ともかく冒頭のじいさんの半生が涙を誘う。誘いすぎる。ここで感動がピーク叩いちゃってるんで、その後のストーリーが蛇足にすら思える。・・・が、ここから先がまた面白い。滝に向かうための冒険かと思いきや、滝付近にはわりとあっさり辿り着いて、そこからじーさんがどう振舞うかが本題だった。
・じいさんが家や滝に執着するのは十分すぎる理由がある。冒頭のアレで観客までエリーの思い出に執着してるのに、今守るべきものを見失うなと来るんだもんなぁ。複雑なテーマを選んだもんだよ。どんだけ大人の視点なんだ。
・風船がひとつなくなる度に感じる小さな喪失感。それは過去への執着。なんだこの表現力。

 

17.トイ・ストーリー

トイ・ストーリー スペシャル・エディション [DVD]

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ピクサー映画第1作。伝説のはじまり。
・本来僕ぁアメリカ産CGアニメはあんま好きじゃなくて、日本産アニメの方が圧倒的に面白くあって欲しかったんだけど。現実は違って、最近のアメリカ産には完成度パないのが少なくない。ピクサー作品は特に別格で、その代表作たるトイストーリーともなれば、アニメに限らず映画一般が好きなら絶対見とかないといけないくらいの傑作なわけです。
・必要十分の説明で話が解り易くて、かつ展開のテンポがいいので、見てて退屈しない。というかずっと楽しい。この脚本の洗練され具合は、ピクサー作品ほとんどに共通する神業で、処女作たるこのトイストーリーでも既に完璧。
・とはいえ、PTAご推薦な優等生感はやっぱ苦手。足りてないのはバトルとSFと毒気。えっ、いらない?

 

18.ウォレスとグルミット 野菜畑で大ピンチ!

・3つの短編で人気を博したストップモーション・アニメウォレスとグルミット」シリーズ、満を持しての長編化。
・アニメの魅力は、普通は動かないものが動くということ。でもやっぱり、絵が動くくらいなら僕らもう慣れちゃってるんだよね。でも人形が動くとなれば、その根源的な魅力がまっすぐ飛び込んでくる。ひたすら目を楽しませる人形の一挙手一投足。
・一方、話はすげーしょーもない。しょーもないってもこれは手抜きじゃなくて、脚本を練りに練って贅肉を極限までそぎ落とした姿だ。この研ぎ澄まされたしょーもなさがグルミットシリーズの魅力なのだから、長編で話を膨らませるのは体質的に向いてないと思う。野菜畑も十分面白いんだけど、前に出てた短編はもっともっと凄かったじゃん。もうクラクラと目が回るほど。
・最近はひつじのショーンとかのTV連載を主戦場にしてて、長編にはあまり手を出さないご様子。長編不向きと見た僕の見立ては、製作者と意見あってるのかな?

 

19.人狼

EMOTION the Best 人狼 JIN-ROH [DVD]

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・原作&脚本は押井守。監督は弟子の沖浦さん。
・元々は、漫画「犬狼伝説」を総括する映画を作る企画だったものと思われる。しかし制作が押井の手を離れたことで、そのクライマックスたるべきケルベロス騒乱に全く触れられないという事態に。
・だから、冒頭に言われる「新たな、そして最終的な役割」ってのは、劇中に描かれてません。オイ!
・アニメではなく映画と呼びたい作品で、アニメを目的としたアニメ群とは世界が違う。日本映画らしい丁寧さ(≒展開の遅さ)があって、悪く言えば冗長だけど、だからこそ結末には感情を揺さぶられずには居れない。途中ダレてもちゃんと見ろ。
・嘘だらけの二人、でも伏が圭を想ったこと、圭が伏を想ったこと、それだけは本物だった。悲しいねぇ。

 

20.トイ・ストーリー

トイ・ストーリー3 [DVD]

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・その名の通りトイストーリー3作目、ピクサー映画としては11作目。
ピクサーって、子供向けのフリをして、実は「昔子供だった大人」が真のターゲット。おもちゃが生きてるって設定、子供の時に見てたらこんなに面白い映画は無かったんじゃないかってくらいだけど、おもちゃの目線は、まさに子供を観察する大人の目線であって、子供の気持ちに同調するようにはできてないよね。
・3まで時が進んでついに、かつて子供だったアンディが大人になった。2でも語られた「いつか来る時」がついに来た。役目を終えたおもちゃたちは、ついに捨てられてしまうのか・・・ウワァン僕もう捨てちゃったYO!こんなの見てたら捨てれなかったYO!危ない危ない。
・こんな凝ったテーマを破綻なくストーリーに絡ませる脚本力は、マジありえない。

 

21.イノセンス

イノセンス スタンダード版 [DVD]

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・押井がついに金と人員を好き放題使った、「攻殻機動隊」続編。果たして、出来上がった映像は正に鬼気迫る仕上がりとなった。かれこれ10年経った今に至るまで、これほどの映像は見たことがない。ジブリもディズニーも目じゃないぜ。
・ここで言う映像がスゴイってのは、単に金掛かってんなぁ、描き込み細かいなぁ、ってだけじゃなくて。画面の向こうに世界が丸々ひとつ広がってるかのように感じさせる映像だって事。それはつまり押井師匠が常々「映画的な映像」と呼ぶもの。
・しかしスト―リーが小さい。さあアニメ見ましョって人がまるで期待してない種類の映画だから、これは嫌われるよね。多数からつまらないと評されているのも致し方ないところかと。
・ところがこれは、これこそが、押井師匠の思う「映画のあるべき姿」をかなり体現した映画なのですな。映画の提示すべきものはまず世界観。映画内にある別世界の空気の描写こそが第一。氏の著作など読んで思想が理解できてくると、その考えは至極妥当なものに思えてくるし、その思想を具現化したようなイノセンスは素晴らしい映画だったような気がしてくるのです。毒されてるだけ??

 

22.ベルヴィル・ランデブー

ベルヴィル・ランデブー [DVD]

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おフランス産のアート感覚なアニメ。監督はシルヴァン・ショメさん。
・歪なデフォルメ絵には驚愕。こんなデフォルメ絵に対抗できるの、国産ではトリスおじさんくらいだな!まさに実写には絶対できない映像体験、アニメの価値を使い倒してる。すごいすごい。
・映像と音楽のシンクロに感心、セリフなしで語り切る演出力に驚嘆。これだけ才気が迸る映画、そうはお目にかかれません。
・ここまできたらストーリーなんてどうだっていいんだよ!
・オススメにこれ挙げたら映画ツウって顔ができそうなので、とりあえず見て自慢しよう。

 

23.機動警察パトレイバー 劇場版

EMOTION the Best 機動警察パトレイバー 劇場版 [DVD]

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押井守監督、人気シリーズの劇場版1作目。
・押井さん、この前にルパンの映画作りかけて趣味的にしすぎてポシャったそうで、その教訓からか本作では自制気味なご様子。シリーズのファンに手堅く応える努力を感じる。押井師匠にしてはこぢんまりだけど、キレイにまとまった映画と思いますです。
・それでも、古い街が復讐するなんてコンセプトで、主役がノアで舞台が方舟で犯人がエホバってんだから。ホントはもっと衒学的にしたかった感がアリアリ。

 

24.時をかける少女

時をかける少女 通常版 [DVD]

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・当時まだマイナーだった細田守監督の出世作。クチコミでじわじわ評判が広がった。非オタク層にアピールできる内容で、宮崎駿の後継を狙える逸材か!?と期待された。(当時は・・・)
・恋愛モノには興味ない無粋な僕でも、ちょいと切ない気分になっちまったよ。。
・未来人、現代人に告ってどうする気だったんだ?
・このタイトル、完全にツツイの手は離れたねぇ。あんなホドホドな中編小説がよくもここまで深堀りされたもんでありますよ。

 

25.耳をすませば

耳をすませば [DVD]

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近藤喜文監督。ジブリの若手育成大作戦だったんだが、近藤氏はこの作品を残して夭折してしまう。その後、後継者不足の惨状は御存じのとおり。
・エも言われぬ焦燥感を駆り立てる、中学・高校生へのエール。自分の将来のために何かをせねばならい。恋愛もせねばならない。強烈。
・若者は観るべきだ。見て焦燥感を駆り立てられるべきだ。青春を焦って過ごすのだ。
・まーまーの職にありついて結婚もした僕だが、今でもこれを見ると落ち着かないものを感じてしまう。現実には、ココに描かれる程の何かを見つける人は少ないのだ。持たざるものに見せるのは、残酷ですらある。
・なおラストシーンは小っ恥ずかしくて悶絶。

 

26.レミーのおいしいレストラン

レミーのおいしいレストラン [DVD]

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ピクサー8作目。子供向けに見えて大人の深い思慮を宿した、超高品質な映画。
・ネズミに着目したセンスって、WALL・Eでゴキブリをキャラにしたセンスと同じ。さらには、巨大ダンゴムシを神聖視したナウシカのセンスと同じ。つまり偏見や外見で命の価値を判断するなってこと。広く解釈すれば、これは差別の話だ。アメリカは黒人差別がリアルな問題だから、その辺を見据えてるのかな?
・チクリとトゲの残る結末は大人向けの味。ピクサーはファンタジーを作っても現実的で、地に足が着いている。
・動物種が違えば必要な栄養素が違うので快感を感じる味覚パターンも違うはず…などと余計な理系思考をしてしまうのは良くない癖。
・ちなみに原題は「Ratatouille(ラタトゥユ)」。いくら日本でなじみのない料理だからって、この野暮ったい邦題は・・・

 

27.ヒックとドラゴン

・アメリカ3DCGアニメ界におけるピクサーの対抗馬、ドリームワークス作品。
・ドラゴンに乗って飛び回るってそりゃオトコノコ幻想盛り上がるわ。ドラゴンに生物学的な分類がついてるあたりがまた、夢が広がるっすね。
・ナイトフューリーのデザインちょっとドラゴンらしくないけど、カワイカッコイイ。
・最後の決着のつけ方は、作り手の覚悟を感じる。そう、それでやっとあいこだ。
・確かに戦争中の2国が争いをやめて協力し合うには、共通の敵を持つことが近道。でも現実にはその第3国にも人格があって、安易に滅ぼしてよい対象ではない。つまりファンタジーにのみ許された解決策であることに注意。現実では標的となった第3国も抗戦するし、争いが長期化すればやっと同盟を組んだ2国間にも裏切りの気配が立ち込め三つ巴となり、戦乱はいよいよ泥沼化する。

 

28.ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破

ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破 EVANGELION:2.22 YOU CAN (NOT) ADVANCE.[DVD]
 

エヴァ新劇場版の第2作。ぼくらのエヴァが帰ってきた。素晴らしいアクションシーンと、吐き気を催すような悪意を満載して。
・魅せる動画を作る、ってことに掛けては相当意図があったようで。TV版を大枠なぞってるけど、超ダイナミックになったバトルシーンが熱い。VSイスラフェルで走るところとか特に。
・中盤までの日常シーン、アスカもレイもイイ子になっててほのぼの度倍増。でも、日常をイイものに描くのは、日常がぶち壊しになる終盤を胸糞悪く感じさせてやろうと目論んでのこと。この悪意を喰らえ。

 

29.塔の上のラプンツェル

塔の上のラプンツェル [DVD]

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・最近はディズニーアニメーションスタジオからも、ピクサーに勝るとも劣らない作品が出るようになった。ラセターさんの影響力は斯くも偉大であるか。「ボルト」がまさにピクサーって感じだったのに対して、こちらはディズニー伝統のお姫様モノをピクサー並みの脚本力でやってくれました。
ティモテティモテ
ラプンツェルはいい子に育ってよかったなぁ。だってあの条件で育ったら、奇子だよねえ!

 

30.アナと雪の女王

・で、異様に売れたこれ。
・文句なく面白い映画だけど、このアタリっぷりは…。商業的成功ってのは、微妙なことで差がつくのであるなぁ。僕は僅差でラプンツェルの方が好き。
・有名なレリゴーは、現実逃避の歌なのな。
・印象に残る曲が多いのは、ミュージカルとしては大きなアドバンテージ。少々ストーリー構成が粗いけど、そんなこともうどうでもいいのサ。
・氷の城が生える動き、超カコイイ。
・いい加減メディアの取り上げ具合がウザイですけどね。レリゴーも聞き飽きたし。でも、そんなことで作品まで嫌うとしたら、もったいない話なのです。

 

31.火垂るの墓

火垂るの墓 完全保存版 [DVD]

火垂るの墓 完全保存版 [DVD]

 

・トラウマ映画。存在価値としてはトップ10に入れないといけない義務感を感じるけど、もう見たくないっす。高畑さんに監督にさせるとこうなんだよ!
・やっぱ兄貴が我慢すれば良かったと思います。
サクマドロップス火垂るの墓デザインで売ってるけど、あれはやめてほしい。

 

32.スカイ・クロラ

スカイ・クロラ [DVD]

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森博嗣原作の小説を、押井守監督が劇場アニメ化。現時点で、押井がまともに作った最後の映画。
・飛行機の機動とか薬莢ばら撒きとか、ドッグファイトの描写がすごい。こと映像面に関しては、イノセンスの狂気じみた動画は今なお語り草だし、あれに追随できるのは同チームの作ったこのスカイ・クロラしかない。
・ストーリーも、イノセンスは若干アレだったけど、今回は森博嗣の傑作小説に沿って作ってるんだから文句なし…ではあるのだが。じゃあ全体で見て最高の映画なんかと言うと不思議とそうも言い切れないところがあって、映像と物語がなんか調和してない。
・映像派の急先鋒たる押井が珍しくストーリを語る映画を作ったけど、結局あんた映像がやりたいんでしょ、な感がミエミエ。作り手がストーリーに感情移入してないのが、ちぐはぐさの原因かと。
・押井師匠は相当自分を抑えて作ったとのことで、後でディレクターズカットを作らしてもらう約束があるんだとか。待ってます。

 

33.フランケンウィニー

・「コラライン」「フランケンウィニー」「パラノーマン」と、ホラー調のストップモーションアニメが同時期に立て続けにでた。どれも優秀で、製作者の個性の違いがでてて面白い。
・こちら「フランケンウィニー」はそのテの路線では大御所、ティム・バートンの作品。不気味な中にも上品さがあって、この人の芸術性の高さってやっぱスゴイ。
・色んなもののオマージュがあるみたいだけど、自分ホラーには造詣浅くて拾いきれないっす。
・むこうでガメラって知られてんだろか。あれゴジラのつもりなのかなぁ。バートンはオタクだっていうし、やっぱガメラかなぁ。

 

34.コララインとボタンの魔女

コララインとボタンの魔女 スタンダード・エディション [DVD]

コララインとボタンの魔女 スタンダード・エディション [DVD]

 

・かの有名な「ナイトメア・ビフォア・クリスマス」の監督ヘンリー・セリックの新作。ナイトメア~は世間的にティム・バートン作品って言われるけど、監督は違うぞ、ヘンリー・セリックさんだぞ。いまいちチメイド低い、かわいそうなヘンリー。で、そのヘンリーさんがバートンなしで撮ったこの作品は・・・全然いいじゃない。
・バートンに似てるけど、もっときっちりホラー。カワイクて、グロテクスクで、なんて魅力的な世界観。ストップモーション・アニメの造形は歪なくらいが味があっていいよね。
・表情の豊かさが凄まじい。コレってつまり表情の数だけ人形作ったってことでしょ?ばかなの!?
・あっそうか!ナイトメア~は表情が動かせないからガイコツだったのか!エウレカ!!

 

35.パラノーマン ブライスホローの謎

・「コラライン」の動画を作ったライカ・エンターテイメントの作品。バートンもセリックもなしで撮ったこの作品は・・・やっぱりいいじゃない。
・ストップモーションアニメはホラーにしないといけない申し合わせでもあるのか?
・ノーマン君の内向的で優しい世界の見方が好きです。そういう優しさで解決するのは素朴過ぎるけど、そういう風に話を作った人の性格とかすげー好きです。
・技術面での向上が感動的なレベル。いや技術と言うか、根性。コララインからさらに表情の豊かさが増してるじゃないか。ばかだね!

 

36.モンスターズ・インク

モンスターズ・インク [DVD]

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ピクサー映画4作目。相変わらず隙のない映画。断片的な妄想をまとまった世界観とストーリーに仕立て上げる手腕は、まさに脱帽であります。
・日本の子供にとっては、夜の寝室に居そうなのはオバケであってモンスターじゃないのだよ。そこんとこの感覚の違いに気付くまで何の話をしてるのか分からなかった。
・つまり、メタリカの「Enter the sandman」だよね!
ピクサーには子供を言葉が通じなくて手に負えないものと描く癖があって、つまり完全に大人目線なんだよね。このモンスターズ・インクでも感情移入するよう仕向けられてるのは子供じゃなくて毛むくじゃら(=大人)の方。これはもうピクサー全作品で一貫してることで、要はどれも子供向けに見えて実は大人向けの映画なのだ。つーか子供目線で見て、この子供の扱いって納得できるんだろか??

 

37.モンスターズ・ユニバーシティ

ピクサー映画14作目。前作メリダ、前々作カーズ2と立て続けに低調だったけど、華麗に復活。
・どんなに努力しても、どうにもならない事もある、という話。ひどい話だ。でもそれが現実。変えようのない自分は受け入れて、自分の出来る事を頑張るしかない。それで開く道もある。
・「夢を諦めない」だとか「努力すれば報われる」だとか安易に言わない。子供向きに見せかけてこの思慮深さはどうだい。この内容をポジティブに描く脚本力もすさまじい。
・インクに比べると、エンタテイメントとしては盛り上がりに欠けるでしょうか。それでも、メッセージの深さやそれを描写する手管の繊細さを咀嚼できる受け手にとっては、傑作と呼ぶべき作品になるでしょう。

 

38.イリュージョニスト

イリュージョニスト [DVD]

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ベルヴィル・ランデブーの監督シルヴァン・ショメさんの長編アニメ第2作。
・デフォルメは前作より控えめにしつつも目をひく表現がいっぱい。インパクト頼りじゃない、洗練された映像表現スバラシ。
・若さゆえの思慮のなさを美化しない。うん、若さってつまりそんなんだよね。でもじいちゃんはそれを否定しない。うらみ言も言わない。
・いいこと起こんない映画だなぁ!でもずっと心に残る、時折ふと見返したくなる、そんな映画。

 

39.涼宮ハルヒの消失

涼宮ハルヒの消失 限定版 [DVD]

涼宮ハルヒの消失 限定版 [DVD]

 

・あたしは中途半端なオタクなので、あんまり萌エ要素強いアニメはちょいと引くんです。ハルヒなんか典型で、案外といいSFではあるけど、結局そんなことよりカワイイ女の子がわちゃわちゃしてるのが人気の秘訣なんだよ引くわー、とか思っちゃいます。
・とか言いつつ見てんだけどね。すごく繊細&大げな演出してるので、なかなか侮れませんです。はい。さっきも言ったけど、ストーリーの骨子は結構パンチの効いたSFです。侮るなかれ。
・これ自体は良作なんだけど、このためにTVシリーズをエンドレスエイトで水増ししたよね。消失を2期に組み込んでれば、人気は維持できたと思います。

 

40.秒速5センチメートル

秒速5センチメートル 通常版 [DVD]

秒速5センチメートル 通常版 [DVD]

 

・若いオタクに大人気、新海誠監督の代表作。
・友達も恋人も、住む場所が離れて別々の時間を5年10年と過ごせば当時とは違う人間になっていくし、かつての関係性を維持してゆくのは難しい。それは薄情とかじゃなくて、当然のことなんだよね。切ないお話だけど。そういうことを肯定的に描いてるのは、逆に救われる思いがあります。
・思い返すと、「耳をすませば」は中学生の分際で婚約した。彼らはあの時点で超真剣でも、これから遠恋になってどうなることやら。ハッピーな瞬間で語り終えてしまう、それ自体がフィクションなんだよね。
・まぁ、この映画全体としては、男子中学生レベルの妄想全開なんでこの齢になると引く。
・背景が恐ろしく綺麗。世界を美しく描こうという妄執、これは見事な作家性だ。種子島にロケットの打ち上げ見に行きたくなるもん、これ。
・モノローグに表現を投げてるのは普通なら減点だけど、ここまでやればもう個性かな?

 

41.あしたのジョー

あしたのジョー2【劇場版】 [DVD]

あしたのジョー2【劇場版】 [DVD]

 

あしたのジョー劇場2作目。力石戦後~世界タイトル挑戦を描く。無敵のチャンピオン、ホセ・メンドーサに挑む展開が震える程カッチョイイ。
・作戦も何もなく、勝利すら目的ではなく、ただ燃えて燃えて燃え尽きるために闘うジョー。壊れてしまったカーロスを前に、それが自分の未来だと知ってなお逡巡もせず戦う様は、もはや破滅的で、怖い。この梶原一騎というメンタリティは今となっては冗談だけど、戦争が今ほど遠くなくて、何かに命を懸けるってことが本当に想像できた時代の理想だったのでしょうか。
・力石戦までの総集編に徹した劇場1作目に比べても、この2作目の方が思想とストーリーの関連が強力で、鬼気迫るものがあります。汗臭い出崎演出も円熟の域。
・シリーズのいちファンとして、カーロス戦にもっと時間を割いて欲しかったけどね。ホセ戦に焦点を合わせた構成なので、致し方なしでしょうか。

 

42.機動戦士ガンダム 逆襲のシャア

機動戦士ガンダム 逆襲のシャア [DVD]

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・個人的には、ガンダム関連にあまり思い入れ無いんですけどne。地球を粛正するってのも話が極端すぎてリアリティ感じないっつーか。シリーズちゃんと見てれば違うのかな?
・シャアは結局アムロとタイマンしたいだけ。なんじゃそれだけど、人の本当の動機はその程度だったりするもの。悪くない。
・映画の合理性ではなくて、腹から出てくる感情が台詞になってる、この辺が富野節であるな。ムカつくガキ達の発言は妙に生々しい。アムロとシャアの会話は哲学的なようでやっぱ無茶苦茶。
・押井師匠はこれが好きなのだそうで、良さのいまいち分かってない僕は、まだまだなのかもしれません。

 

43.レゴムービー

・レゴがレゴでレゴの中をレゴのために大冒険するレゴCGアニメ。キャラだけじゃなく背景もレゴ。水滴もレーザーも爆発も全部レゴ。監督は「くもりときどきミートボール」のフィル・ロード&クリストファー・ミラーだよレゴ。やや知名度低いですが、傑作です。割と、マジで。
・ストップモーション風だけどCGだよ!
・間抜けな絵面だけど、語られてるテーマは何気に深刻。平凡な自分が天才たちに囲まれて、自分の平凡さを突き付けられて、じゃあ自分に何ができるのかと悩む主人公。顔のパーツが基本形だから、敵方から「顔が一般的すぎて特定できません!」なんて言われる始末。
・終盤明かされる、レゴ世界の真相については、わりとマジで感動した。そーなんだよ、オトナの遊びってこういう間違いを起こしがちなんだよ。そうだ子供出来たらレゴ買ってやろ。

 

44.PERFECT BLUE

PERFECT BLUE [DVD]

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今敏初監督作品。
・アニメで敢えてサイコホラー。ちょーコワイ。アニメでリアル系統やって、実写以上に怖がらせるんだから大したもんです。
・現実と妄想が入り混じる終盤はもう、見てる側まで朦朧としてくる。この手は今さんしょっちゅうやるけど、一番決まってるのはこのPerfect Blueのときだな。
・優秀だけど、コワイから2度と見ない。

 

45.Mr.インクレディブル

Mr.インクレディブル [DVD]

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・珍しくバトルもののピクサー映画6作目。
ウォッチメンかと思ったらサザエさんだった。ヒーロー批判はアメコミでは流行りネタだけど、そろそろ一周してるから深追いは回避したのでしょう。
・いいアクションっぷりです。それぞれが特殊能力を生かして力を合わせる展開はやっぱ燃えますわ。見せ場分配のうまさはさすがのピクサー。オマケのフロズンも意外に活躍。
・アメ製アニメでちゃんとバトルやるのは珍しいけど、黒幕を殴らずに偶発事故でケリつけるあたりは、しょせん、って感じ。ぶしゃっといかんかい。

 

46.シュガー・ラッシュ

トイストーリーと同路線の発想でいかにもピクサーっぽいけど、ディズニーアニメーションスタジオ製。
・ゲームキャラも僕らの見てないところで生きてて、彼らなりにドラマがあるって設定が、どうしても魅力的なんだナ。最初この映画のプロモーションみたとき、ちょっと好きになれない気がしたんだけど、あれって今の子供への嫉妬だったんだなぁ。自分が子供の時にこれをやってくれたら、超嬉しかったと思う。ガキども羨ましい。
・マンションのやつらに一杯食らわせるシーンは欲しかったなあ。あいつらムカツクまま終わっちゃった。

 

47.ハウルの動く城

ハウルの動く城 [DVD]

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・物語の因果関係が釣り合わない後期宮崎アニメ。「千と千尋」でも相当やってたけど、ハウルはいよいよ変。もー伏線もクソもない。とっ散らかっちゃってる。たぶん、宮崎さんは予定調和に飽きて、ストーリーの方法論なんか無視したいんだろう。
・城の登場シーン、がよんがよん歩く動きが超イカス。足が不釣合いに細いデザイン、狙いましたねー
・城内部の描写される場所が少ない。だからスケール感不足に感じる。宮崎アニメの建築って、いつももっと魅力的だったジャン。ラピュタとか湯屋とか。
・この企画、細田監督で作りかけて一度頓挫したとかで、出来上がるまでにゴタゴタしたらしい。作りの甘さはそのへんが遠因なんだろか。

 

48.崖の上のポニョ

崖の上のポニョ [DVD]

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・地球滅亡クラスの天変地異が起こってるのに、ポニョが人間になれるかの方が大事みたいに話が進む。原因と結果の重みが全然釣り合ってないこの違和感。「千と千尋」で大概、「ハウル」でもやり過ぎだったのに、こりゃ輪を掛けてひどいな!思考回路が常人離れしすぎてて、もうようわからんですたい。
・そんななのに最後まで楽しめるように仕上がってるのは、動画作りの地力の違い。キャラクターだけでなく背景までも生き物のように躍動する画面、隅々にまで命が宿ったかのよう。これぞアニメーション!
・素晴らしい映像と意味不明なストーリーの組み合わせ、どっちを重視するかで評価はまっぷたつ。世間的にはストーリー重視派が多いから不評だけど、そんなことないよ、と言いたい。すごいところはすごくすごい。

 

49.クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶモーレツ!オトナ帝国の逆襲

・泣けると評判のクレしん映画。原恵一監督。
・高速人生フラッシュバックは基本感動的なんだよなぁ。「カールじいさんの空飛ぶ家」とか。「つみきのいえ」とか。ひきょうや。
・「俺の人生は、つまらなくなんかない!」平凡なサラリーマンが言うのは価値がある。そうだ、結婚して子供できて平和な家庭を築くのは、つまらないことじゃないんだ。それはサイコーなことで、たくさんの人がサイコーな人生をしてるって事なんだ。
・泣ける泣けるって言われ過ぎてちょっとキライ。作り手側も泣かしてやろうって気が満々なのがわかって、そういうのもちょっとキライ。ひねくれててスイマセン。

 

50.マイマイ新子と千年の魔法

マイマイ新子と千年の魔法 [DVD]

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・これは、ものすごくいい映画です。地味すぎて興行的には上手くいかなかったんだとか。だが、こういうチャレンジが許されただけでも、日本の客層の質の高さは誇るべきものです。
・メッセージは確かに受け取ったけど、このストーリーからどうそれを伝えてくれたのか、分析するのが難しい。分析するのも無粋な気がするなぁ。良さを伝えにくいなぁ。すっげーいい映画なんだけどなぁ。
・子供が子供らしく遊ぶことはすごく大事。でも、子供に遊ぶことを教える大人も、実はすごく大事。遊ぶことは全てを乗り越える力になるのだ。
・俺も子供ができたら、遊びを教えまくってやるぜー。オトナの遊ぶ力をなめんなよー!

 

今回はここまで。以降の順位は下記リンクにて。

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