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本と、映画に思うこと。その他、諸々のこと。

攻殻機動隊 鑑賞メモ

今更だが、押井監督の「攻殻機動隊 GHOST IN THE SHELL」。気付いた点を列挙。

GHOST IN THE SHELL?攻殻機動隊? [DVD]

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・冒頭、密談シーン。背景には水槽で泳ぐ魚。押井映画では、魚はコミュニケーションの偶像。(ex.パト2の後藤&荒川、うる星2のラム&夢邪鬼)
・ビルの上、少佐いきなり脱ぐ。これは皮膚に光学迷彩を仕込んでいるから。ただし、複雑な器官のある部分(顔と腰周り)は別仕様。
・少佐ビルからダイブ。ぞわっとする浮遊感。この後、高いところからダイブが映画やアニメで流行った。
・少佐に撃たれて弾ける密談おっさんと、割れる水槽。水槽?いや、1枚のガラスのようだ。窓ガラスに映像を表示できるギミックでした。
・OPはサイボーグのメイキング。本編ストーリーとは絡まないが、作品コンセプトを表す。カシャカシャっと乱数的表示から文字が浮き出るクレジットは、マトリックスにパクられた。
・寝起きの少佐がブラインドを開く。ブラインド?いや、真っ黒にしていた窓を透明に切り替えただけのようだ。密談シーンの窓ギミックの続き。
・「人形遣い」の名前は、ハインラインのSF小説が由来。
・チンピラチェイスシーン。少佐は全身義体特有のハイジャンプでビルの屋上へ。着地で床がバコっと凹む。全身義体は生身の人体よりだいぶ重い。原作にもある重さの演出。
・チンピラの光学迷彩は濡れると効かなくなる。少佐はわかってるので、川を撃って水をかけた。
・VSチンピラ格闘。川でばしゃばしゃやってるのに、少佐の光学迷彩は濡れても平気。さすが公安9課は使ってるモノが違う。
・格闘後、裸の少佐に上着を着せるバトー。バトーは裸を意識しているが、少佐はなんとも思っていない。バトーのシャイな気遣いと、全身義体な少佐の身体認識の異常さ。
・スキューバ少佐。全身義体は重くて泳げないので、ずぶずぶ沈むか、道具を使ってぷかぷか、のみ。
・水面に浮かぶ瞬間、水面に映る虚像との接触。曰く、「違う自分になれる気がして」の映像化。「天使のたまご」終盤にも類似表現が有り、こちらも生まれ変わりを暗示した演出である。人形遣いとの融合を予告??
・船の上、またあっさり脱ぐ露出狂少佐と、目を背けるシャイなバトー。
・「私が私でいるには・・・」少佐バストアップから顔アップまで徐々に寄っていく。逆に背景は遠ざかってゆく。レンズを広角側にしつつ寄る撮影テクの表現。うる星2の、さくらさん&温泉の対話で、同じ演出アリ。
・メインテーマ曲と街の風景。押井映画理論の体現たる、ダレ場。中国的な雑踏は「ブレードランナー」のテイスト。
・ラストのマネキンのカットインは、全身義体がマネキンとどれほど違うのかってこと。
人形遣いを強奪した襲撃者、こいつらの光学迷彩は雨に濡れても余裕。つまり公安??
人形遣い捜索シーン、並んでるオペレーターの顔が全部一緒。これは量産品のアンドロイドだからで、こいつらは人ではなく、AI。
・博物館で戦車登場。天窓落としたら、光学迷彩は雨で無効に。さすがにこのサイズには、水に耐える光学迷彩は使えなかった?
・少佐手持ちのサブマシンガンでは、戦車の装甲にはさっぱり効かない。バトー曰く「そんなんでやれる相手か!?」の言葉通り。動き回って弾切れを誘う。
・戦車の機関銃がゴリゴリ柱を削る。これもマトリックスでパクられた名演出。
・さらには樹系図を打ち抜く銃弾。これまでの生命の進化と隔絶した生命の出現を暗喩。
・少佐が義体を壊しながら戦車のハッチを開けようとする。原作(1.5)にもあるアクションだが、原作は遠隔操作のヒト型端末なので、体を使い捨てるつもりで無理をした。対して映画ではメインの体でやってる。体を大事にしない少佐の特異な感覚、更には少佐が人形遣いにダイブすることを命より優先していることを示している。同じアクションでも意味の載せ方が違う。
・バトーが持参したゲテモノであっさり戦車沈黙。装甲と銃器の強弱関係はシビアで、勝てる銃器で撃てば勝てる。映画的な盛り上がりは物足りないけど、リアリティ優先。
人形遣い「僅かな機能に隷属していたが、肉体を捨て、更なる上部構造へシフトする時だ・・・」ネットの海を身体の一部とすることで、義体に貼り付いていた自己認識が開放される。船の上での少佐の台詞「私をある限界に制約し続ける・・・!」への回答。
人形遣いを選んだ少佐は、バトーの誘いを蹴ってひとりネットの海へ。「ネットは広大だわ・・・」